英語の関係代名詞
関係代名詞とは、文と文をつなぐ接続詞の役目を持ち、その直前にある単語(名詞)の説明をする、代名詞の役目も同時に持つ単語のことです。
関係代名詞種類と使い分け
関係代名詞となる単語は下の表のようなものがあります。
これらの単語が関係代名詞として使われる場合は、基本となる単語の意味にはならないので注意しましょう。
例えば who は「だれ」という意味があり、また that は「あれは」という意味がありますが、ここではそのように訳してはいけません。
主格(~は、が) | 所有格(~の) | 目的格(~を、に) | |
---|---|---|---|
人のみ | who | whose | whom |
人以外(物や動物) | which | whose | which |
人でも物でも全て | that | なし | that |
★それぞれの例で考えてみましょう。
●主格を使う場合(主語と考える)
I have an uncle.
私にはおじさんがいます。
The uncle is a math teacher.
そのおじさんは数学の教師です。
前の文の「おじさん」のことを、後ろの文では「そのおじさん」として説明をしています。
そこで、この二つの文を接続詞を使って一つの文にすると、次のようになります。
I have an uncle and the uncle is a math teacher.
下線部の the uncle は and のすぐ前の uncle のことで、and the uncle の部分は「そのおじさんは」という意味になります。
そして and the uncle の部分を全て人を表す関係代名詞の who に置き換えます。
I have an uncle who is a math teacher.
この英文を日本文にすると次のように訳すことができます。
「私には数学の教師であるおじさんがいます。」
そして、who のすぐ前にある言葉(この場合は uncle)を先行詞(せんこうし)と言います。
この先行詞が人なのか、それとも人以外なのかによってどの関係代名詞を使うかが決まります。
He has a bird. It speaks English.
↓
He has a bird which speaks English.
この例文では、先行詞が鳥(人以外)で、関係代名詞の後にある文の主語の役目をすることになるので、主格の関係代名詞である which を使います。
したがって、日本語の訳も以下のように変わります。
彼は鳥を飼っています。その鳥は英語を話します。
↓
彼は英語を話す鳥を飼っています。
この文の先行詞は鳥なので、関係代名詞は which を使わなければなりません。
●所有格を使う場合
I saw an animal. Its tail was very long.
↓
I saw an animal whose tail was very long.
Its は「それの」となり、所有格になるので関係代名詞は whose を使います。( it's とは違うことに注意して下さい。)
whose はその前の先行詞である animal を説明していて、「その動物の」という意味をもつことになります。
私は動物を見た。その動物のシッポはとても長かった。
↓
私はシッポがとても長い動物を見た。
●目的格を使う場合
This is the picture. A famous artist draw it.
これがその絵です。有名な芸術家がそれを描きました。
この2つの英文の中の picture と it が同じものなので、後ろの英文の it は関係代名詞の which になり、次のように一つの英文にした時には、それがなくなることに注意しましょう。
This is the picture which a famous artist draw.
これは有名な芸術家が描いた絵です。
ここでの which は「その絵を」という意味になっています。
◆目的語が人の場合
She was a lady. Many poeple loved her very much.
彼女は女性でした。多くの人が彼女をとても愛していました。
↓
She was a lady whom many poeple loved very much.
彼女は多くの人がとても愛した女性でした。
上記のような例文にある who, which, whom は、全て that に変えることができますし、関係代名詞の that は実際の会話でもよく使われています。
では、that が who, which, whom の代りに使えるのなら、「いつも that を使えば楽だ」と言う人もいますが、テストなどでは全てを分かっていないと問題が解けないこともあります。
また、会話でも that, who, which, whom を使い分けて話す人もいるのですから、やはりこれらを柔軟に使えるようにしておくことが大事だと思います。
現在、公立中学では whose と whom は教科書から外されています。したがって公立高校に進学する人たちは、これらの学習はあまり必要ないかもしれません。
また、現在では、英会話で whom を使うネイティブは割と少ないように思います。
もしかしたら、この単語は近い将来なくなるかも知れないとまで言われています。
主として that を使う場合
関係代名詞の中で that は所有格以外であればどんな場合でも使え、とても便利なのですが、先行詞に all, the only, the first,
the last や最上級の形容詞の言葉が付いている時、また、先行詞が人と人以外の両方が使われている時は、that を使うのが基本です。
Please tell me all that you know.
あなたが知っている全てを私に教えて下さい。
Kenta was the only student that could answer the question.
ケンタはその質問に答えることができた、ただ一人の生徒だった。
The man and the dog that are walking in the park came to this town this year.
公園を散歩しているその男の人とその犬は去年この町に来た。
that が代わりに使える場合であっても、who や which などを使うのが自然な場合もあるので、実際の会話でも区別して使えるように今から練習しておいて下さい。
関係代名詞の省略
目的格の関係代名詞である which, whom, that は省略することができます。
The book which I read yesterday is very interesting.
↓
The book I read yesterday is very interesting.
きのう僕が読んだ本はとてもおもしろいです。
Do you know the woman whom I met here yesterday.
↓
Do you know the woman I met here yesterday.
君は僕が昨日ここで会った女性を知っていますか。
関係代名詞を省略するということは、文章を少しでも短くするということですから、特に会話ではこのように省略されることが多いでしょう。
最も、勘違いしやすいのは、目的格でない who や which, that などを省略してしまうことです。
She has a doll which speaks English and Japanese.
彼女は英語と日本語を話す人形を持っています。
この which を省略して次のようにすることはできません。
×She has a doll speaks English and Japanese.
このようにすると doll のすぐ後ろに動詞がくることになり、doll 自体が全体の主語になったような感じになります。
全体の主語は、最初の She だから which の省略は不可能なのです。
日本語としての訳もおかしくなりますし、英語としは完全に間違っていることになります。
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関係代名詞の確認テスト
●次の( )に入る最も適切な関係代名詞を考えて下さい。ただし、that 以外の関係代名詞が使える場合は that は使わないこと。
問題 1. ブラウンさんは20個の部屋がある家を持っています。
Mr Brown has a house ( ) has 20 rooms.
問題 2. 僕は、お兄さんが有名なミュージシャンの男の子を知っています。
I know a boy ( ) brother is a famous musician.
問題 3. その男の人は持っているだけのお金を全て私にくれました。
The man gave me all the money ( ) he had.
問題 4. あなたはその病院で働いている友達がいますか。
Do you have a friend ( ) works in the hospital?
問題 5. 彼女はあなたが昨年ここで会った女性ではありません。
She isn't the woman ( ) you met here last year.
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