ill と sick
説明と問題
ill と sick は、「病気」という意味合いでは、その違いはほとんどありません。
したがって、ネイティブであってもその違いの説明を求められて、即答できる人は少ないかも知れません。
病気という意味で、アメリカでは sick が、イギリスでは ill が多く使われているということが、この単語の区別をつける一つの手助けになるでしょう。
★それでは、次の日本語を英語にしてみましょう。
① 彼はもう1年も病気をしている。
② 少し吐き気がします。
③ 彼女の愚痴を聞くのはもううんざりしています。
それぞれの英文がどのようになるか、まずはノートなど書いた後で答え合わせをしてみましょう。
解答と解説
それぞれ次のように書くことができます。
① He has been ill / sick for a year.
「病気である」という場合には、be動詞の後に ill または sick のどちらを使っても表せます。
「もう一年も」という言い方は「一年間も」という日本語にスムーズに置き換えられると簡単に英文にできるのではないでしょうか。
ここではその意味合いを出すために現在完了形を使ってみました。
② I feel sick a little.
「吐き気」を表すには、ここでは sick しか使えません。
これに to one's stomach という表現を付けて言う場合もあります。
I felt very sick to my stomach then.
「その時はすごく吐き気がしたんだよ。」
単に「気分が悪い」といったときには、どちらを使っても構わないでしょう。
③ I'm sick of hearing her complaints.
「~にうんざりする」という表現は、決まり文句ですから、be sick of または be tired of などを使います。 この表現で be
ill of はありません。
もちろん、ill だけしか使えない場合もあります。
次のような例文では、ill at ease が「落ち着かない」という決まった表現として使われているので sick を代わりに使うことはできません。
My boss makes me feel ill at ease.
「上司がいると気が落ち着きません。」
これは中学英語レベルでは習わないと思いますが、参考までに紹介しています。